経営者としての決断力・判断力を鍛えたい時に読む話


経営者は様々な場面で決断をしなければなりません。日々、決断の連続で、中々大変だと思いますが、経営者がゆえに誰かに聞くわけにもいかず、結局、自分自身の決断力をどのように磨くか、が大切になります。
では、どのように決断力や判断力を鍛えたらいいのでしょうか。今回は、そんなヒントになる書籍をご紹介します。経営コンサルタント、企業家としても有名な大前研一氏の「大前研一のビジネスモデルの教科書」(KADOKAWA)です。

decision-01

大前研一のビジネスモデルの教科書

本書の基本スタンスとして、すでに成功した古いビジネスモデルをケーススタディで学んでもほとんど意味はなく、今現在、リアルタイムで進行しているビジネス上の課題について、自分が社長だったらというスタンスで、自分なりの解を出すトレーニングをすることこそに意味がある、としています。

 

本書では、実際のケーススタディが12例ほど掲載されています。「コカコーラ」「ローソン」「任天堂」「キャノン」などから、「Uber」「シャオミ」「Airbnd」まで、幅広く取り上げられているので、時事的な学習としても役に立ちます。

 

もちろん、「自分の会社は上記で挙げたような大企業でないから関係ない」と思われる人もいると思いますが、本書の活用ポイントは、大前研一氏がどのような観点で、自社や他社や市場環境を調べ、分析し、自分なりの解に至っているのかを知り、自分でも実際にやってみることです。ご自身の経営されている会社で考えてみても構いませんし、近い業界の会社で検討してみてもいいかもしれません。いずれにせよ、現状では答えがない課題について、本質的な問題を明らかにし、経営者として判断を下すトレーニングをすることで、問題解決力が高まっていくでしょう。

 

また、応用として、例えば自社で実際に起こった、「一定の経営判断が必要だったケース」を記録しておき、今後、会社を継ぐ、または、会社を支える可能性がある社員に対して研修として行うのも良いと思います。自分と同じような判断ができる人物を育成するという点でも、また、自分にはない発想を発見するという点でも、効果があると思います。事業承継は簡単なことではありませんが、案外、こういう活動の積み重ねが重要なのかもしれません。

 

1人では行き詰まりがちな経営判断ですが、このような新たな視点や考えを取り入れてみると、これまでとは違う景色が見えてきます。ぜひ、実践してみてください。

コメントをする

メールアドレスが公開されることはありません。

twenty − 12 =