6月8日に日経MJにて2016年上期ヒット商品番付が発表されました。今回のコラムでは、当番付の中から注目のセンテンスをいくつかピックアップしてご紹介します。
まず、気になる横綱には、東が「安値ミクス」に、西が「マイナス金利特需」とデフレが戻ってきたかのような、少しネガティブなキーワードが。アベノミクスによるデフレ脱却が叫ばれていましたが、現実はそう甘くないのかもしれません。記事では低価格が強みの小売りが好調なうえに、外食では値下げが相次ぎ、電力自由化による料金ダウンが影響していると書かれています。生活者目線でいえば嬉しい限りですが、企業としては死活問題にもなりかねない傾向ですね。
続いて、東の大関には4月に誕生した高速バスターミナル「バスタ新宿」、関脇には「民泊」が据えられ、国内の旅行需要が今後も活性化する兆しが見受けられました。北海道新幹線も開通し、インバウンド需要とも相まって、ホテルや観光業は好調が続くのかもしれません。
そのような番付の中で、一段と興味を引くのが「ドヤ家電」に「チープカシオ」、そして「写ルンです」。この3点の共通項はSNSが売上の起爆剤になっているということ。いずれも、『思わず人に伝えたい』というインサイトが背景にはあります。街中のスイーツでも、写真映えする盛り付けやカラーリングが人気のきっかけになることもあり、SNSを意識した配慮は、もはや必須になりつつあります。
俯瞰に立って、時代のトレンドを読み取り、そこにビジネスのヒントを見出すことも、経営をする上では重要な能力になります。コープラスではトレンド分析から実際の商品開発に至るまでをお手伝いすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。