独立・起業を目指すきっかけは、人それぞれですが、社会人になる前から
綿密に計画的に準備してきた人はかなり少ないのではないかと思います。
私は、これまでの仕事でも、現在の仕事でも、フランチャイズにチャレンジされる
経営者の皆さまをたくさん見てきました。一人ひとり、本当に成功してもらいたい
と、いつも思いますが、残念ながら、成功されない方がいるのも事実です。
そこで、今回は、どのように考えて、フランチャイズに加盟すれば、成功に近づける
のか、私なりに感じることをご紹介します。
まず、はじめに、お伝えしたいのは、
世の中にだれがやっても簡単に、永続的に成功するビジネスはない
ということです。
フランチャイズ化されるビジネスというのは、もちろん、再現性の高いものです。
(そのはずです。)ですから、どなたがやっても、ある程度は同じ品質になることが
保障されていますが、品質維持=成功、ではないのです。
チェーンストアを思い浮かべていだければ、わかりやすいと思います。
例えば、スターバックス。全国に、約600店舗あるそうですが、当然ながら
繁盛している店舗と、苦戦している店舗が、存在します。
商品の品質は同じはずなので、市場環境とか、従業員の質とか、様々な要素が
成否をわけているのでしょう。
そう考えると、比較的成功している店舗が多いフランチャイズに加盟したからといって、
絶対に成功するというのはありえないのがわかります。
だとすれば、どんな観点でフランチャイズを選んだらよいのでしょうか。
① 自分の人生をかけて取り組みたい仕事であるか
② 自分の強みを生かせる業種・業態であるか
以上の2点に尽きると思います。
① について
当たり前ではありますが、独立する以上、その仕事に人生をかける必要があります。
ちょっとうまくいったら、売却しようとか、ほぼリスクを取らずに、ちょっと厳しくなったら、撤退しよう、という気持ちでは、成功するものも成功しません。
結果的に、一時的になるかもしれませんが、事業を始める以上は、本気でやる仕事です。
初期投資が少ない、とか、リスクが低いから、という理由で、仕事を選ぶと、苦しいときに踏ん張れなくなります。なぜなら、やりたい仕事ではないのですから。
だから、未経験でも構いません。まずは、自分が本当に取り組みたい仕事であるか。それを
きちんと見極めてください。
② について
具体的なフランチャイズ本部の選び方については、次回のコラムでご紹介するとして、今回は、どういう業種・業態を選ぶべきか、という概念だけお伝えします。
それは、自分のこれまでの経験を振り返って、自分が得意なことを生かせる業種・業態
か、ということです。
フランチャイズビジネスには、本当に様々な業種・業態があります。まずは、①の観点で、自分がやりたい仕事だ、と思えたら、つぎは、その仕事の成否を分けるポイントを探ります。例えば、主な成功要因が、サービス力なのか、品質なのか、立地なのか、商品力なのか、自分なりに、これだ、と思うことを見つけます。
その成否を分けるポイントについて、自分が得意なのかを、考えてみるとよいと思います。
例えば、人との対応が差別化になる飲食業や学習塾などは、やはり人と話すのが好きな人
が向いていると思いますし、立地や品ぞろえが差別化となるコンビニ業界などであれば、分析が得意とか、マネジメントが得意などの人が向いていると思います。
要するに、「Want(したい)」と「Can(できる)」(BetterやBestの方がいいかも)の重なる部分を選ぶことがポイントだということです。
次回は、どんなフランチャイズ本部を選ぶべきか、について、お話ししたいと思います。