こんにちは。
前回のコラムでは、業種の選び方について書きましたので、今回はフランチャイズ本部の選び方について、お話します。
無事に、「これだ!」という業種を見つけて、自分の強みを発揮してビジネスを成功させることができそうだ、と思えたら、次はフランチャイズ本部を選ぶことになります。
自分が加盟をし、長く付き合っていく本部なので、自分に合うかどうかが非常に大切なのですが、それ以外の部分での選ぶべき視点を3点お伝えします。
① 直営店がいくつあるか。
直営店が少なすぎるFCは要注意です。フランチャイズを専門とする企業は、当然ながらFC店に対する直営店の比率が低いのは当たり前なのですが、大切なのは、直営店の実数です。ひどい本部になると直営店がない、という本部もあります。こういう本部は、売上を増やすノウハウを所有している可能性が極めて低いと思います。自分たちで努力して、工夫に工夫を重ねて、ビジネスの肝をつかみ、パッケージ化したのが、フランチャイズビジネスです。そういう点で、直営店が少ないFC本部は不安が残ります。
② モデル収支を詳細に説明できるか。また、妥当性があるか。
モデル収支はあくまでもモデル収支です。ですから、既存店の平均値であると勝手に思い違いをしないでください。いつの、何のデータを下に作成したものか。
例えば、現在であれば、人件費高騰や賃料の高騰が想像される地域なのに、5年も10年も前の実績を元に作成した収支モデルを、未だに使っているケースもあります。
収支モデルに記載してある、各項目の詳細について、丁寧に質問して、それについて明確な返答ができないフランチャイズ本部は避けたほうが無難です。
また、「絶対に儲かる」とか、「うちは知名度があるから(公に強いパイプがあるから)売上に困ることがない」と言い切るような本部も注意が必要です。
もし発言の通りだとしたら、すべて直営で運用するはずです。一時的な売上の好調さかもしれないので、リスクヘッジのためにフランチャイズにした、とか、CMを大量に流して知名度を上げているけど、思った以上に売上が上がらず、苦しいからフランチャイズ加盟収入に頼っている、など、様々なケースがあります。
失敗する可能性についてもきちんと語り、それについてどのような対策をしているのかなどを、明確に話せる本部に加盟しましょう。
③ 加盟開発担当者以外の関わる人は、どんな社員か。
独立すると会社員時代と全く違うのは、日常的に仕事で関わる人が少ないという点です。
独立当初から、社員を大量に採用するということは、めったにないでしょうから、結構孤独な戦いです。
その際に、フランチャイズであれば、本部が支援してくれます。いわゆるスーパーバイザー(SV)と日常的に関わることになります。ですので、大切なのはSVの質です。「経営豊富な人材をスーパーバイザーにしています」と説明会で説明されても、少し疑問を持ってください。『経験豊富≠優秀なSV』とは限らないからです。
出来れば、今後自分が関わる可能性があるフランチャイズ本部の方には、全員会いましょう。なかでも、窓口となっていくSVについては、しっかりとお話しましょう。
ポイントは、「近所の競合店ができたら、どうしますか?」とか、「中々売上が上がらないときは、どんな販促活動が効果的ですか?」といったような、突っ込んだ質問をしてみましょう。
質問に対して、自分が納得できるような回答を返せる人なら、信頼していいと思います。
以上、フランチャイズ本部を選ぶ視点をご紹介しました。
フランチャイズに加盟して成功している人は、たくさんいます。フランチャイズのビジネスを軸に他の事業を始めて、様々自己実現されている人もいます。
一方で、自分なりの軸を持ち、調べなかったことで、失敗している方もたくさんいます。
フランチャイズという仕組み自体は、非常によいものなので、上手に活用いただきたいと思います。